──ベリルは二人に食事を振る舞うと荷物をまとめて旅の支度を始めた。

 一日くらいはゆっくり作戦を練りたい所だったが、発信器の存在でそうも言っていられない。

 家とガレージを何度か行き来して、オレンジレッドのピックアップトラックにまとめた荷物を積み込んでいく。

 大きなクーラーに三人分の食料、他にも沢山あるようだがアレウスたちにはよく解らない。

 サバイバルに慣れているベリルひとりなら、水と固形食料で済ませる事が可能だが、二人にそれを強いる訳にはいかない。

 追われているというストレスは、栄養と満腹感だけで収まる話でもない。円滑に依頼を遂行するために配慮しなければならない事は多い。

 荷台に積まれた大きなクーラーには、調理している間に頼んでおいたデリバリーサービスからの食材が詰め込まれている。

 狙われる理由が解らない以上、完遂までの日数の予測すら出来ない。第一、何をもってして依頼の終了なのかが解らない。