いつの間にか眠り込んでいたようだ。

ディオが気がついた時には、
外は真っ暗だった。

小さな窓に顔を押しつけるようにして、
外をのぞく。

視界は全て真っ暗だった。

どこへ連れていくつもりなのだろう。

いまさらながら、
不安になってくる。

あまりにもタイミングよくやってきた救出の手。

ディオの持つこの研究成果を、アーティカもねらっていたのだとしたら?


「あー、やっと起きたね。

ビクトール様が会いたいって言ってるんだけど。

さっき来た時、
よく寝てたから起こさなかったんだ」


ノックもなしにドアがあいて、部屋の主が顔を出した。


「ビクトール?」

「うん。
こんなところに説明もなし連れてこられて、
君も不安だろうからって。

ダナは……
まあ、俺もそうなんだけど。

詳しいことは、
何も聞かされちゃいないし、
説明してあげられないからね」