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「……見事な吹っ飛びっぷりね」



やってくるなり、麻紀は感心したようにつぶやいた。



「唯衣、このアパートどうすんの?」


「建て直しだって」


「まさかこのままじゃ住めないもんね」


「うん。寒いもん」


「寒いよね、これじゃ」


「うん」



私も麻紀も、微妙に思考が回らない。


しばらくのあいだ、2人でぼんやりと道路に立ち尽くしていた。



そのうち風が強まってきて。


カラカラカラっと音を立てて、道路の上を落ち葉が転がっていった。


コートのポケットに入れていた指先が冷たくなってきている。



「はっくしょい!」



ううう~……寒い。


風邪ひきそう……。