草たちがざわめき始めた事にレオルがいち早く気づいた。


何かが来る。


瞬間的にそう思った。


レオルがその事を三人に伝えようとしたその時だった。


「何これ…」


エセルが自分たちの影を見て言った。


四つの影とは別に、大きな影が通り過ぎたのだ。


エセルがばっと上空を見上げる。


大空を奇怪に飛んでいたのは大きな鳥だった。


全長六メートルはあるだろう漆黒の鳥。


そして黄色い小さな瞳は四人をギロリと睨んだ。