「藍衣ちゃん、そこのテーブル着いてくれる。」

カウンターのお客さんと話しながら、ママが言う。


さっきまでいた若い客が帰るのを見送って、店に戻ったあたしは、ママが視線で差したテーブルをちらりと見て頷いた。

6人の団体客。


年齢はバラバラ。
会社の飲み会の二次会か何かか。


すでに閉店時間が迫っている、給料日前の週末。


他に客は少なく、すでに他の女の子が数人、そのテーブルに着いていた。



あたしは通路側の一番端に座っていた、一番若いお客さんに声をかけた。


「はじめまして。お隣座ってよろしいですか。」