ケータイ小説 野いちご

ツギハギの恋

第2章
去るも気から

あたしは恥ずかしさから、さっさと買い物を済ませてペットショップを後にした。

歩き始めるとひなたは当たり前の様にあたしの手を取り指を絡めてきた。


「ミリちゃんありがとう!」

「……あんたは何にも考えてなさそうでいいよね」

「何それ?」


ひなたの首を傾げ笑う仕草にあたしは変にドキッとした。


外見に騙されるな……

これは犬……


あたしの服着てるし

頭にチョンマゲだって立ってる


つーかこいつフルチン野郎だっつーの。



「何見てんのよ……」

「ミリちゃんとお出かけ嬉しいから」


握られた手を振り払いたいくらいに動揺した。

犬ごときに……


たたの犬じゃないけど。


人間の姿のひなたはあたしが嫉妬するくらい可愛い。

それは男としての可愛さであって決してひなたが女みたいに可愛いと言うわけじゃない。

ひなたは男だ。

繋いだ手だってゴツゴツして男の手をしている。

体だって骨格も筋肉も立派な男の物だった……。


「ミリちゃん帰ったらジャーキー食べていい?」


この無邪気さが唯一の救い……。

あたしがひなたに手を出しちゃいそうだから。

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