―先生目線―



「お前らだけで楽しんで来いよ」


不本意だけど、直と別行動……


卒業旅行も兼ねているこの旅行。


俺と翼先生とタカの3人は、あの6人とは違う店にいた。




「いつの間にか、俺もみんなと同級生の気分でしたよ」


タカは、薄めの梅酒を飲みながら目を細めた。


「そうだな。俺もいつの間にかみんなを生徒だと思っていた」


俺もタカと同じ梅酒を飲む。


背の低いいびつな形をしたグラスの中に、大きな氷がひとつ浮かんでいた。



「翼先生は、あっちチームでも良かったんですよね。みんなの恩師なんだから」


「いやいや。俺なんか入ると話したいこと話せないと思うしね」


翼先生は、もうウーロン茶。



「酔うのが怖いんでしょ?」


俺がニヤニヤしながらそう言うと、翼先生はウーロン茶を吹き出した。



「ちょっ!!ちょっと!またそんなことを……」