「じゃあな!!しばしのお別れだ。直、元気でな」


先生は、私の頭を丁寧に何度も撫でてくれた。


「寂しい……」


「俺も寂しい……」



先生は、みんなが見ていないことを確認してから、おでこにチュって、キスしてくれた。




「俺の分までいっぱい食べてこいよ。本当の卒業旅行だと思って、懐かしい話でもしておいで」



「先生…… あのね…… さっき、美穂に……」





もじもじしている私を見て、先生は私の気持ちを誤解したようだ。



「いいんだって!お前の友達は俺にとっても大事だからさ」


「う、うん。ありがとう」



やっぱり、先生は美穂とタカの間を取り持ってくれたんだね。


嫉妬なんてしちゃってた自分が情けなく思える。



「直~!!名残惜しいと思うけど、そろそろ行くよ」


あゆみがかなり前の方から手を振って私を呼んだ。



「待ってぇ~!」



私は先生に手を振って、走り出す。



「おい、直~!要君には気をつけるように!!」



それを聞いた要君は、先生をからかうように、チャンス到来だなって笑った。