その日いつも以上に激しく愛し合った。

「なな…愛してる」

優しいたろうの声が

愛おしい。

「なな…イキそうや。

どこに…出してほしい?」

いつもは聞いてくる事がない

たろうに驚いた。

もう私は投げやりになっていたんだ。

どうせ授かる事はないって

決め付けていたんだ。

だからたろうにお願いをした。

「たろうちゃん…中に出して」

言い終わった後

ほっぺに違和感を感じた。

何が起こったのか分からずに

目を開けるとたろうの顔が見えた。

すぐに状況を把握できた。

たろうは私のぽっぺを叩いたんだ。

「なな…自分を大切にせなあかん。

まだもてる希望を捨てたらあかん。

お前の事守るってゆうてるやん。

お前を支えるし、いつでも助けたる。

だから投げやりになんな。

本間にお前が大切なんや」

真剣で強い眼差しだった。




たろう...

あの時ほっぺの痛みに

あなたの愛情を感じました。

私の事を本気で叱ってくれたね。

投げやりになっていた私に

希望という言葉をくれたね。

たろう、あなたには感謝でいっぱいです。