もぅすぐ20になる未來は、電車に乗っていた。

門限の11時に間に合うように家路を急いでいた。

外は肌寒く、もぅすぐ冬が来ることをつげていた。

家に帰った未來は、携帯を鞄から取り出そうとした。

鞄の中を必死で探すが、携帯は出てこなかった。


どこかで落としてしまったようだ。


家から自分の携帯に電話を掛ける。


『トゥルルルル、トゥルルルル、トゥルルルル、トゥルルルル。』


繋がらない、気持ちが焦る。

『トゥルルルル、トゥルルルル。』


やはり繋がらない。心臓がドキドキしてきた。


『トゥルルルル、トゥルルルル、、、。もしもし?』


やっと繋がった!!嬉しい!!未來は興奮した。電話の相手は声の高ぃ爽やかな印象の男性だった。


『すいません。それ、私の携帯なんで返してもらえませんか?』

『今、警察に届けようとしていたんですよ。じゃあ、日曜日に渡しに行きます。』

『ありがとうございます。どこに行ったらいいですか?』

『JR阪和線沿いならどこでもいいですよ。』

『じゃぁ、上野芝駅でお願いします。』

『わかりました。では昼の一時に上野芝駅で会いましょう。』