瀬戸は深い森を歩く途中、右ポケットの違和感を感じた.



携帯がない――――――

いつも右ポケットに入れているはずなのに.

ここに漂着するまでは確かにあった.



「携帯がなくなってる・・・」
瀬戸は思わず慌ててしまう.

「・・・あ、私も・・・ない」


瀬戸の言葉に夏希も自分の携帯の有無を確認するも、夏希も携帯を無くしてしまっていた.


一気に不安が二人を襲った.


「たぶん、流れされたときに・・・」


そうだな、とだけ言い再び歩を進めた.

恐らく、携帯は海の底.
そう考えるのが妥当だった.