ケータイ小説 野いちご

金魚玉の壊しかた

金魚玉の作りかた


江戸には『三脱の教え』というものがあるのだそうだ。



出会った時、


「絵師先生、先生は『三脱の教え』ってのを知ってるかい?」


彼の外見を見て驚く私に

彼は、
翡翠のような瞳に私を映してそう尋ねた。


「何だね、それは? 教えてくれたまえ」

首を傾げてそう問い返すと、

彼は、私のこの喋り方が
男のようで変だと、

どこか垢抜けた笑いを浮かべて──


それから、

年齢
職業
地位

初対面でこの三つを聞くのは野暮であり、

この三つを抜きにした人付き合いというものが粋なのだと


そう教えてくれた。


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