二度目の正直。



目が覚めたらあたしは殺風景な四角い部屋にいた。



起き上がると台所にはゾッとするほど美しい男。ゆきだ。



まるで初めてここで目覚めた時のようにあたしの頭は混乱状態。



あぁもう!なんであたしはあんな状況で意識を手放すの!ゆきとのキスまであと一歩だったのよ!


生まれて初めて自分を呪いたいくらい。



「ミリ、おはよう。遅いよー。今日は俺が朝ご飯つくったからねー。」



目覚めたあたしに気づきそう朝の挨拶をしたゆき。



あたしに相反してまったくいつもと変わらないマイペースなゆきだった。


なんでそんないつも通りでいられるの?あたしはこんなに昨日のゆきの行動の裏側、心が知りたくてやきもきしてるのに。


ゆきはそうじゃないの?


あれはあの淫らな状況が作った一瞬の気の迷いだったの?



試行錯誤の心とは裏腹にそう、と真顔で答えてあたしはゆっくりとベッドから抜け出した。