その夜、フーカはミナの部屋を訪れていた。

両親は仕事で遅くなるらしい。

「自由にしててね」

「うっうん」

しかしフーカはここに来た時から震えが止まらないらしい。

もうすぐあの儀式を行った時刻だ。

ミナはムリに笑みを浮かべ、立ち上がった。

「よしっ、お腹も減ってきたし、下におりてピザでも頼もう! 今の時間なら、バラエティ番組もいっぱいやっているだろうし」

「うっうん…」

顔を上げたフーカだが、すぐに動きが止まった。

表情が恐怖に引きつり、ミナの背後を震える指先で差す。

「あっああっ…!」