宝探しは無事に終わり、月日は流れ…

新学期の慌ただしさが徐々に薄れた、入学1ヶ月がすぎたある日、南野莉子は気付く。


「………
なんてこった。」


隣りでお弁当を食べていた麻耶がこっちを見る。


「どうした?」


「あ…あたし…
白石くんのアドレス知らない……。」


そう。
携帯のアドレス帳に白石くんの名前がない。


てゆーかよくよく考えたらメールも電話もしたことない。


麻耶は超目を見開く。


「………は?」


「…なんでだろう。」


「こっちが聞きたいわ。」


麻耶は呆れたようにそう言って白石くんのほうを見る。


「白石くんに聞かれたことないの?
つーか莉子は聞いたことあるの?」


……………。


「両方とも、無です。」


「はぁぁー!?」


「あぁー!?」


急に低ボイスが混じってきたので辺りを見回すあたし。


「南野ちゃん、本当に付き合ってんの?
それ。」


そう言って首を傾げてるのは…


なんでか神田くん。