ケータイ小説 野いちご

おとなり事情

一時間目『嫌い』



カーテンの隙間から降り注ぐやわらかな光と

朝の知らせを響かせる小鳥のさえずり。



緊張のあまりか
携帯のアラームよりも一時間早く目覚めてしまった。


数時間しか寝てないが
目をこすり、大きなあくびをして、あたかも熟睡したように振る舞ってみる。



こうすることで
寝不足も和らぐのだ。


要は気持ちの持ちよう。

部屋の東側には大きな出窓がある。
起きてすぐにその日の天気が分かるように出窓側にベッドを配置した。



大きく伸びをして上半身だけ起こす。
ベッドの横に置かれたガラス性のサイドテーブルに置かれた携帯に手を伸ばした。




『新着メールあり』



カチカチと親指で受信箱を開く。



──お母さんからだ。



『新しく始まる高校生活。無理したらダメよ。葵は葵らしくね。いつでも帰ってきなさい。』


自然に口角があがる。
緊張がフッと和らいだ気がした。



──そう。
今日から『二度目』の新しい高校生活が始まる。

新しいスタートを切る日なのだ。

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