「携帯入れてたポケットにね、これ、入ってたんだ」

少女は鞄から封筒を取り出した。

中には帯がついた札束が入っている。

「これって、手切れ金ってヤツ?
なんか、ドラマみたい。

私、ヒロイン?」


少女は無理に笑顔を作った。



「このお金で、整形出来るかな。

私、一人で働いて生きていこうと思ったんだけど。

ダメなの。風俗でも。

はっきり言われた。

『その顔じゃ、どこも雇わない』って。