「お。迷子の子猫ちゃんはっけーん。」

背後から聞こえる、
低く、おちゃらけた声。

振り向くと、
一人の男子生徒を筆頭に、
十数人の男子が出入り口に立っていた。

おちゃらけた声を発したと思われる
筆頭の男子生徒以外、
私を見て驚いていた。

「あ、土足。
 いけないんだー?」

「そーゆうあんた等も土足だけど?」

ツッコむ。

男子生徒はあちゃーって顔をして、

「ま、いんじゃない?」

と、流した。

「で、君は、
 そこのライオンもどきのお迎えかな?」

何故か不意に場の空気が冷たくなる。

「そーですけど、何か?」

威勢よく言い返す。

「困るんだよねぇ?
 勝手に連れて帰ってもらっちゃぁ。」

おちゃらけた声とは裏腹に、
冷たい表情と、視線。

一瞬で、
【強い。】と判断した。