3年前。
桜散る春。
別れと出会いの季節。

私は、家の近くの公立中学校に入学した。

普通の、謙虚そうな新入生に混じって、
やり過ぎとしかいえないような程、
制服を着崩している新入生が何人かいた。

私は、
やり過ぎとまでは行かないけど、
制服を既に着崩してはいた。

ひざ上20cmのスカート。
から覗くはずの綺麗な足は無く、
顔や、手と同様、
バンソーコーや、包帯だらけだった。

髪の毛も、
今とは違い、
男の子の様なショートカット。

例年の新入生に見られる
不安や希望を瞳には宿さず、
ただただ、
冷たい眼差しを何処かに向けていた。