断十郎は、城下の外れを暫く進み、山のほうへと向かって行った。




 途中には、峠の茶屋があった。




 そこで、40ぐらいの浪人とおぼしき男が、一服していた。




 近頃は、夏場だというのに肌寒い。




 もっとも、ここまで結構な距離を歩いて来た断十郎は、うっすらと汗をかいていた。




 断十郎は、茶屋で一服することに決めた。




 浪人風の男の隣に座る。




 茶屋は、旅人で思いの外、混んでいた。