そうだ、彼はとても魅力的なのだ──身長は予想する限り170㎝は超えている。

 さほど高くないとはいえ、細身でしなやかな物腰に短くても風になびく柔らかな金の髪。

 そして何より、そのエメラルドの瞳にケイトは心を奪われそうになった。

「用は済んだな」

「!」

 ベリルの声にハッとする。

「そんな訳な──っ」

 慌てて体を乗り出し、目の前のカップを指で弾いてしまった。

 こぼれる!? と思った瞬間、ベリルが素早く受け止めてケイトはホッとした。

「ありがとう」

「気をつけろ」

 今頃、良く通るベリルの声にドキドキする。