慌てて携帯をかけ直したものの、既に九条の携帯は電源を切られていた。

これではこちらから連絡をとる事は出来ない。

方法は一つだけだ。

「くそっ!」

携帯だけを握り締め、俺は夜の街へと走り出した。

…夜8時には街灯だけになる田舎町。

外を出歩いている人間なんて殆どいやしない。

こんな時間に出歩いているのは、それこそさっき電話をかけてきた連中のような、ろくでもない奴らばかりだった。