もう足が言う事を聞かなかった。

何度も何度も蹴躓き、道路に転倒する。

それでも歯を食いしばり、ひたすらに走った。

…男達は、毎回15分以内では到着できないような場所を指定した。

勿論、俺を駆けずり回らせて楽しむ為だ。

どんなに頑張っても間に合わない。

九条を助けようとしても、手の中から零れ落ちてしまう。

そんな絶望を、俺に味わわせる為だった。