勇樹は平日の夜に、週2日ほど会いに来ていた。

曜日は決まってなくて

勇樹が都合のつく、仕事帰りに立ち寄る。


そして週末は私は千早人と

勇樹は元妻と過ごす…



私は千早人に罪悪感を持ちながらも

勇樹とまた会えることはずっと夢に思ってきたことで

それをやめるつもりはなかった。



勇樹に会えるようになったのは、嬉しいことだったけれど

一緒に朝を迎えられなくなり

そして必ず、家に帰る…


それを見送る時は切なくて

心臓をギュゥッと捻り潰されるくらい辛い。



簡単に元妻が離れていくとは思えなかった。


いくら勇樹が言葉で表してくれても

私には常に不安が付き纏い、心の中の澱(オリ)が晴れることはなかった。





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