それ以来、私と千早人は急速に仲良くなり

度々デートを重ねるようになった。



千早人は最初のイメージと打って変わり

とてもオチャメな三枚目だった。


おふざけが大好きで、いつも私は笑っていた。


穏やかで、温かい……



いつの間にか気付くと二人は付き合っていた。


どちらが言い出したわけでもなくごく自然に……







勇樹からの連絡は一向になく、私は諦めかけていた。


千早人と居ることで、淋しさは少しも感じなかった。





(このまま勇樹のことは忘れよう…)


(ピアスを開けて、運命が変わる……
このことだったんだ…きっと)



私はどこか引っ掛かりを感じながらも

毎日かかる千早人からの電話や週末のデートを楽しみ

勇樹への想いを奥へ奥へと押し込んだ。





(これでいいんだ……)



いつもいつも自分に言い聞かせた。