「先輩。高遠先輩!着きますよ。北海道!着きますよ!!」

あたしは、飛行機が着陸体勢に入ったのを確認して、隣に座っている高遠先輩に、話しかけた。

高遠先輩は、離陸前から、ずぅっっと狸寝入りを決め込んでいた。

理由は、わかっている。

「欄、ガムくれ」

後ろの席に座っている、大山先輩に、声をかけられた。

あたしは、ポケットからガムを取り出すと、それを大山先輩へ渡した。

あたしも食べようと、1個取り出すと、右側から、ニュっと手がのびてきた。

あたしは、無言で紙から出したガムを、高遠先輩に、手渡した。


「あ~つまんねぇ」

高遠先輩は、つぶやくと口の中にガムをほおりこんだ。

「鮎川さんと代わって署に残ればよかったんですよ」

あたしは、機嫌の悪そうな高遠先輩に、話した。

「あ?」

「誰かさんが来れないからって、機嫌が悪いのはやめてください」

あたしは、高遠先輩に顔を向け、目線を外しながら答えた。

「欄」

高遠先輩の目付きが鋭くなった。

「な、なんです?」

「俺がそんな小せぇこと思ってると思うか?」


思いますよ(-.-)


確信持ちます(__)


あたしの隣、大山先輩だったのに、座る直前に、大山先輩と交換したじゃないですかぁ(:_;)


座った途端に「いい思いなんかさせないからな」

って脅して狸寝入りしたかと思えば、配られた飲み物、あたしの奪って飲んじゃうし(>_<)


どお考えても、イヤガラセですよ!


飛行機は無事、千歳空港に着陸し、あたし達一行はバスで札幌に向かった。


いいもん(>_<)!


バスでは、大山先輩と座るんだからっ!


そう思っていたのに、あたしは高遠先輩に邪魔され、課長の隣に座らされる羽目になった。

「加納君」

「はい(-.-;)」

「面倒なことは、くれぐれも起こさんでくれよ」


ハイッ~???


「私は何にもしてませんよ」


ヒドイッ(>_<)


課長は、一人勝手にビールを飲み始めた。


最悪ダァ(:_;)


みんな、イジワルだぁ(:_;)