「あ、気が付いた?」

そう、可愛い声で言って、鈴菜ちゃんが覗き込んでいた。

えっ?

驚いて、飛び起きた。

何か、体が軽い。

目の前にいた女の子は、鈴菜ちゃんではなかった。

そっくりのその顔で、ニッコリと微笑んでいる。

そしてその背中からは、白い大きな翼が見えていた。

「ごめんね~けどあなたが受け止めてくれたから、助かっちゃった」

言うのに合わせて、翼が微妙に動く。

作り物にしては、とても良くできている。

見ていると、

「あ、自己紹介してないね?あたし、ルナ。ルナねえ、天使なの」

まあ、格好からしてそうくるよな。

しかし、何だってこんなコスプレしてるんだろう。

「...だけど、大天使様を怒らせちゃったみたいでぇ、地上へ堕とされちゃったの」

‘’だいてんし‘’?

‘’大天使‘’かな。