この日、私たちは朝から電車に乗っている。


・・・が、


“由貴~、ごめん酔った。寝てもいい?”

“まったく。着いたら起こすから、それまで寝てな”

“ありがとう”


私はすぐに眠りに落ちた。

途中、電車が揺れて私の頭は傾いた。誰かの肩に当たったけど、由貴だろう。



だけど、やっぱり乗り物酔いは酷くて、


“うっ…。気持ち悪い”

“ちょっと詩音大丈夫?こんなところでダウンしないでよ”


由貴の声がして、私を横にしてくれた。
なんだか安心する・・・。


そう思って私は意識を手放した。