合鍵をもらったあの日。



あれは今から一年以上前、卒業式から何日か経ったホワイトデー。





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部活を終えた先生が迎えに来てくれた。



3月だというのに雪でも降りそうな寒い日だった。



寒がりな先生は車の中をポカポカに暖めていてくれるんだ。



特別な日には必ず来てくれる白いジャージで…



暖房の効きを確かめる手が好き。



「寒くねぇか?」


ドキドキして、寒いどころか顔が熱いよ、先生。


私は卒業しても、いきなり『彼女』らしくなれず、戸惑っていた。