「アーアーアー、聞こえますか、聞こえますか」


大空を舞う鳥みたいに両手を広げ、高く澄んだ空に向かって電波を飛ばす。


「お前またやってんの」


呆れた友達はいつもみたいに煙草をふかして僕を笑った。
僕からしてみたら、害するものに金を払って暇潰しをする彼にこそ呆れるけれど、そんなことは口にはしない。
都会の大地は鉄とコンクリートで埋め尽くされ、自由は空のみとなった。
人類はすでに、根本から腐っている。


「アーアーアー、聞こえますか、聞こえますか」
「誰にだよ」


彼にはわかるまい。

第六感が、僕を呼んでいるのだ。



01,電波をキャッチ
【コンティニュー?】