そんなはずがないのに。


出張から帰ってくるのは3日後の予定で。


今夜、この家に

お父さんがいるはずがないのに。





「お前ら……何してたんだ」



見たままの光景を受け入れられない様子で、無意味な質問を口にするお父さん。


そして、その陰に隠れるようにビクビクと立っていたのは

神木のおばさんだった。



「……あんたが、お父さんに連絡したの?」



声がひきつった。

あたしは那智の腕をほどき、おばさんをにらみつけた。



「あたしたちのジャマするために、お父さんを呼んだの!?」


「藍! そんな言い方はやめなさい」



おばさんをかばうように、お父さんが一歩前に出た。