「ねえ、里香!大変だよ!!」
小山里香、高2。
里香とかいて【さとか】と読む。
よく【りか】と間違われるのであまり気に入った名前ではない。
今まで、付き合った事は数回だけ。告られるけどどれも振ってます。
付き合ってもすぐ飽きてあたしの方から振るんだけどね。
今は彼氏いないけど、そろそろ欲しいかなあって感じだ。

そして今慌てた様子で隣の教室から息を切らし走ってきた彼女は、
あたしの幼馴染で親友の相原優実。
けっこう賑やかだけど女の子らしい。

「なに?」
早朝から騒がしい彼女に、あたしはシラっとした感じで聞いた。
「夕貴が言ってたんだけどね、C組の早川って子が今日の放課後あんたに告るんだって!」
夕貴ってのは、優実の彼氏のこと。
かなりのラブラブで見てるこっちが恥ずかしくなるくらいいだ。
「え、まじですか?どんな子?」
あたしは少し興味を持つ。ちょうど、彼氏欲しかったし―…。
「あたしも見たことないからわかんない★」
舌をペロッと出してお茶目な反応をする優実にあたしはため息をついた。

―・・・かっこいい人だったら付き合おうかなー♪
何にでも型から入る性格のあたしは、外見でよく彼氏を選んでいた。

「あ、夕貴いいいいい♪おはよッッ♪♪♪」
背が高く、顔も結構整っている、ダテメガネくん。少し長めな黒髪の同クラの夕貴。
ぶっちゃけあたしでも「かっこいいなあ」って思うこともあるけど親友の彼女なので我慢。
ていうか自分から告るなんてプライドが許さないからっ!!!だから譲ってあげたの!
…てのは嘘であたしは夕貴にとってはだたの友達だったからね・・・。
まだ2人が付き合ってない頃は優実のことよく相談されたりしていたし。

―キーンコーンカーンコーン…
「あ、チャイムなったあ・・・。じゃあたし、教室戻るね。」
手を振りながらバタバタと優実は戻っていった。
あたしの後ろの席である夕貴に聞いた。
「ねえ!早川って誰よ!あたしに告ってくるの?」
夕貴はニヤりとしながら
「うん、多分、里香の好みだと思うよ~♪♪」
…まじかあ…。
どんな男子かは放課後までの楽しみにして妄想した。

そんなこんなで放課後はやってきた。