ケータイ小説 野いちご

あやつりの糸

◆強制的な演説
世界統一説

 そうして、すっかり酸素がなくなった頃……目の前で自分を睨み付けているベリルをハロルドは見つめて淡々と説明を始めた。

「そろそろ息が切れてくる頃だろう」

[……っ]

 苦しみで口を開ける。

 肺の中の空気が外に出た。

「初めは意識を失うが」

 ベリルの体が力なく水の中を漂う。

「しばらくすると目を覚ます」

 言った数分後──ベリルの手がピクリと動きゆっくり目を開いた。

「そう、その肉体は酸素を無理に必要としない。水の中ではそれなりの順応性を見せる」

[……]

 ベリルは不安定な水中で体勢を立て直しハロルドを再び睨み付けた。

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