ケータイ小説 野いちご

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あやつりの糸

◆張られた糸
教官の言葉

 暗くなった部屋でベリルはハロルドとの出会いを思い起こしていた。

 今にして思えば、彼が初めて自分を見た時、驚きと喜びに顔をゆがめていた。

 あの時は気にも留めていなかったが……ハロルドは彼に言語を教える度に自分の理想を語っていた。

 その理想の一環としてハロルドはベリルにそれなりの言葉遣いを定着させた。

 ベリルには彼の言う理論や理想などに何の興味もなく。

 むしろそんな事は余計な事だと心の中で一笑に付していた。

 それが今になって牙を剥くとは……

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