颯爽と流れる海風が穏やかすぎて、今という現実をふと忘れさせてくれる。


『あれから3日か…』


砂浜に腰をおろす修二は昇りくる朝日を見つめた。


『警察に連れてこられたこの離島。見渡す限り周りは海だけ…逃げ出すにも逃げだせない。渡されたのは6発の弾が入っている拳銃1丁のみ…これがこの島で生きる唯一のすべ…』


修二は黒く光る拳銃を握り締めた。


『島の至る場所で船から降ろされた俺たち…この3日間はいまだに誰とも会わずじまい。これは幸か不幸か…』


修二はお尻についた砂を掃いながら、ゆっくりと立ち上がった。


『これは一体何のために…』


修二は警察にはめられた右手の人差し指の指輪に触れた。