「笑香、おいてくよーっ!!」
「待って待って、今行くよお」

あたし、笑香は慌てて家を飛び出した。

「ごめんごめんっ、おはよう実紗☆」
「また遅くまで起きてたのかあ?」


実紗が呆れた顔で笑香の顔を覗き込む。


「ちょっと面白い本見つけちゃって♪」
「ホントに読書好きだよね、笑香は」


もちろん笑香の鞄の中には、その本が入っている。