「ったく、なにやってんのよ……バカ楓」





体育館に続く渡り廊下で、そう言って瑞穂はあたしの頭を小突いた。






でもその声は真剣に怒っているような感じじゃない。





「…………うん…」







まだ混乱してる頭を抱えてその場でうずくまってるあたし。






さっきから、同じ疑問がぐるぐる回っていた。






なんで……?





なんで工業高校に居るはずの耀太が………







「ここに居るの……?」






気づかぬうちに、最後は声に出してたらしい。
またもや小突かれた。






「バカたれ。だから現実をしっかり見なさいって言ったでしょ!
あたしが上手くごまかしたから良かったものの、あのままだったらアンタ間違いなく変人扱いだったんだからね!」







「…うん………ごめん」







ちっとも気持ちのこもってないあたしの返事に、ハァと瑞穂のため息が漏れた。







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