「動かないでって言ったよね!?」

「…………(黙)」

「ゲーム屋入るなって言ったよね!?」

「…………(汗)」

「放送を流して欲しかったのかな!?」

「…………(涙)」


あたしと洋介はファミレスの奥の席でそんなやり取りをしていた。

洋介はゲーム屋の前に居て、あたしが引っ張ってきた次第だ。

何も言わない洋介に、あたしはチクチクと刺さるようなことを言う。

酷い妹でごめんね!?


「もぉ!なんで言うこと聞いてくんないかな!?」

「……しょぼーん…」

「擬音語を口に出して言わなくていいから。」

「ずーん」

「お 兄 ち ゃ ん ?」

「申し訳ありません。」


おいおい。

兄貴が妹に頭下げるなよお前にはプライドってモンがないのか。

そうか。

プラモデルの“プ”はあるけどプライドの“プ”はないわけか。

実にわかりやすい。


「あ゛――ッッ!!こんなんで元に戻るのかなぁ!!」

「灯莉…」

「はい?」

「そんなに…お兄ちゃんが嫌か…?」

「うん。」

「がーん」

「…………(にっこり)」

「…………(土下座)」