──ピッ──ピッ──



機械音が病室に響く。



ベッドに眠るのは、愛村。


「沙南ちゃん、大丈夫?」



隣でユウがあたしを心配する。



「大丈夫、大丈夫だから……」



あたしの脳内は何回もあの光景がフラッシュバックされる。




───────────


「ぐぁ……っ!!」


「愛村!!」



キッと直哉を睨みつけると、奴は血に染まったナイフをひらひらとさせた。









「じゃあね、名ばかりのAngel」




不敵な笑みを浮かべて直哉は去っていった。




……あんな奴じゃなかったのに。



そんな思いが込み上げる。




「おいナツ平気か!!?」


「ナツ!!」


智輝の声で正気に戻ったあたしは、恐る恐る愛村を見た。



「愛村ぁ…っ!!」



泣きたくなった。

だって…。


痛みに歪んでいた顔が、

あたしに微笑んだから。