あの事件から数日後。

私はすっかり元気になり、頬の傷も大分よくなっていた。

まだ薄く傷は残っているものの、ファンデーションで隠せばわからない程になっている。



そんな私に、久しぶりに楽しいことが!

今日は夏の“花火大会”&“縁日”という、中心地で開催されるお祭りなのだ。


私は夏莉とこの日の為に揃えた、浴衣を朝から広げ、夜のお祭りを楽しみにしていた。





「お祭り楽しみだよね」


夏莉が浴衣の帯を持ちながら、笑顔で言った。





「早く浴衣着たいねっ」


私もさっきから、チラチラ時計を気にしている。





早く夜にならないかな…