“確認しておくね。戦士の日の夜に、おそらくシンドウは11時にその住所に記した家に帰宅するはず。”                       


 シンドウのねぐらの住所が書かれてあったメモに、殺害の手順などが記されてあった。



 最後には「くれぐれも死なないように」と身の案じるような言葉があって、キョウスケは失笑した。



 自分の身を案じているのか、それともセンセイの計画を案じているのか。



 キョウスケは「後者だろ」と吐き捨て、そのメモを摘んでいた指を離した。




 そして真剣な表情を浮かべて、パソコンの画面に目を移した。



 パソコン画面に映し出されていたのは、二日前にセンセイに渡されたフラッシュメモリーのデータだった。           



「・・すげぇ」




 目の前に映し出された膨大なデータにキョウスケは思わず息を飲んだ。



 法律、心理、工学はもちろんのこと、経済や哲学、それに科学の資料や論文まであった。