「パパ…何があるの?」
三歳になった大翔が、俺の元へと駆け寄ってくる。
俺は大翔を抱き上げると、きれいで純粋な瞳を見て言った。
「もうすぐな、大翔のお友達が産まれるんだぞ?」
「ヒロの…お友達?」
「ああ…大翔と、日向のな?」
俺は大翔を抱き抱えたまま、分娩室の前のソファーでひたすらその時を待っていた。
俺達以外では、誰も喋らない。
遼平のご両親だって、
桃ちゃんのご家族だって、
誰ひとりとして…。
それだけ、この出産をみんなが心配していると言う事が分かった。
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