「比奈ちゃんのクラスに行ったらセリちゃんが比奈は出掛けてるって」



あいつからソウタ君に顔を向けると「はい」と言って私の鞄を自転車の籠に乗せる。



「あり…がと」



するとゆっくり立ち上がったあいつは真っすぐこっちに歩いて来た。



「何も知らなくてごめんね?あの子達お説教しといたよ」



優しく問い掛けるソウタ君に戸惑っていると。



「恋也がね」



そう付け加える。



「ソウタ」



すぐ後ろまでやって来たあいつはソウタの頭を軽く叩いた。