ショッピングモールを後にした悠美は、すぐさま琢己に連絡を取っていた。


心当たりがある──確か琢己はそう言ったはずだ。


それに他にも相談したいことがあった。


日が暮れる頃、悠美が待ち合わせの公園へと足を踏み入れると、琢己はすでにベンチに座って待っていた。

「大丈夫か?」

声を掛けた琢己は、悠美がまるで幽霊のようだと感じて思わずそう言った。

たった二日で焦燥した様子が手に取るように分かる。

足取りがおぼつかない。

目の焦点もどことなくうつろだった。

「琢己……」

ベンチの前まで歩みを進めた悠美は、緊張が和らいだのか途端に相好を崩して琢己に体を預けて倒れ込むと

「あたしも呪いにかかってた!」

嗚咽をまじえ、そのまま大きな声で泣いた。

琢己はその震える肩をさすりながら、悠美の心を思って胸を痛めた。

いじめの事実を知って嫌悪を抱いたが、それでも自分の彼女には違いはない。


改めて悠美を愛おしいと思っていた。