翌日は当然のように学校を休んだ。手ぐすね引いて希里らが待ち受けている学校などに行けるわけが無い。

例えば、あの連中が全員姿を消してくれれば心置きなく行くことが出来るだろう。

(消えるかな?)

ベッドの中でまんじりと時を過ごしながら、その考えを何度も反芻させていた。


携帯は電源を切っていた。恐らく何度もメールが送りつけられているはずだ。そのメールを見るのも怖かった。

しかしそれよりも怖いのは──

(あれは何だったの?)

確かに音を聞いた。

幻聴とも思えないが、それでも昨夜の出来事自体が夢のような気がしないでもなかった。

そう、確かに非現実的だったのだ。

しかし、もし現実だとすれば、何かとんでもないものを呼んでしまったのではないだろうか?


時計を見るとすでに学校は終わっている時間だ。

母親には具合が悪いと言って無理やり休んでいたが、学校に居ればあんなに長く感じる時間も、家に居ればこんなに早く過ぎ去ってしまうんだと気がついた。