「千夏ちゃん、何食べたい?」


メニューを渡してくれながら学さんに聞かれたけど、こんな本格的な中華料理なんて食べたことないから戸惑った。

学さんに連れてこられたのは横浜中華街にある立派な中華料理店だった。


私が知ってる中華料理って言ったら……

餃子、シュウマイ、マーボー豆腐にエビチリ、そしてチャーハンとラーメンくらい。


ところが渡されたメニューには聞いたことのないなんだか高そうな料理ばかりが並んでて。


メニューに顔を隠してどうしようか悩んでいると、学さんがそのメニューの端をつまんで引っ張った。

あ……

目が合った。

上目遣いに見上げると、ププッと笑われた。


え、私、そんな変な顔してた?

う、ショック。

ますます落ち込んでると、本格的に声をあげて笑われてしまった。