そんなこんなで、結局私は奏真君の車の助手席に座ってます。

……石田さんには内緒にしとこう。


「あの、ホント、すみません」

「いいのいいの。
それより、この後千夏ちゃんはもう何も予定はないんだよね?」

「はい」

「俺も今日はこれでおしまいなんだ。
腹減ったよね?
なんか食べに行こう」

「え?
そんな、困ります」

「言っただろ、コミュニケーションだって。
大丈夫、一般人に見つからないとこあるから。
あ、お金のことなら心配しないでいいよ、おごるから」

「え、でも……、
家で母が心配すると思いますし」


う、我ながら下手な言い訳。

それになんかすごく子どもっぽい。

言ってしまってから赤面した。

できることなら言ってしまった言葉をかき集めて回収したい。