ノインを助手席に乗せた車が走り出す──

「ねえ。あの物質の構造とかって、いつ調べたの?」

「以前の不発を調べた」

「ああ、あの……」

 調べて解るのが凄い。

「バイトを持ちかけた者の事は解るか」

「うん、昔の上官よ」

「組織には属していないのか」

「昔は軍にいたけど。今は『ヒュドラ』っていう組織にいるらしい」

 ノインが応えると、ベリルの表情が一瞬だが曇ったような気がした。