「ぜっっっったい、嘘だ。」


次の日のこと。


今は、昨日なんで結局休んだのかを、美奈ちゃんに説明していた。


「『上野智也が助けてくれた』?

何言ってんのー。」


信じてもらえてない様子。


「そんな嘘つくわけないじゃんっ」


「笑佳の妄想じゃないの?」

「ちがうよ!」


たしかに普通はありえないと思うし、ドラマみたいな話だし。


けど、実際に会っちゃったわけで。



あっでも考えてみたら、助けてくれたのは、高瀬くん…じゃなくて雄哉くんもだ。


あのとき、襲われそうになったあたしを…



そーだ!


「ほら、これが証拠。」


あたしは、美奈ちゃんに手首を見せた。


あまりに強い力で押さえられたから、今でも少し赤くなっている。



「…まじで…」


相当驚いた顔で、美奈ちゃんは呟いた。




「ここまで手の凝った嘘、初めて見た!」



「だから嘘じゃないって!」