その日の夜、雄哉くんから電話がかかってきた。 「カレーありがと。美味しかった」 「あ…うん」 何となく気まずい。 「仕事、今日はもう終わったの?」 「うん。さっき。」 「そっか…おつかれ。」 「うん」 「……」 会話がすぐに途切れてしまう。 いつもは、そんなことないのに。 「えっと…鍵、また…今度会ったときに」 「ごめん」 “ごめん”? 何がごめんなのか、雄哉くんの言葉の意味が、理解できない。